◇雑記◇

リンクアイコン追記へもどる ホームへ

私はソウルの友人の誘いで張家界の旅に出た。(2005年11月25日〜29日)
中国湖南省西北部に位置する張家界武陵源名勝区は中国国家地質公園でありユネスコの世界自然遺産でもある。

そこは近年(80年代)に発見された石英砂岩峰林の景観で原始状態に近い亜熱帯風景であり、生物の生態環境が手付かずのままに保存されていた。

石峰が3103本、1000m以上の柱峰が243本、最高峰の望月峰は海抜1256mである。
雲霧、雲海、雲波、雲滝の豊かな景観は東洋人が好む墨彩の名画を見るような幽玄な世界で、峰群が列を成して迫ってくるような景観はまさに絵画の様であった。

列を成す観光客は半数以上が韓国人で、日本人はあまり見当たらなかったことから日本での認知度はまだ低いように思われる。

韓国の観光業者、そして延辺、吉林の朝鮮族がガイドとして張家界観光の主要部分を取り仕切っていたのには驚いた。

韓国から人も金も張家界に移動し、韓国人が開発した観光地のようであった。張家界地域の経済を潤し、支配しているかのようにも思えた。

資本は更なる利潤を生む場所に流れて行くという原則をまざまざと見せ付けられたような気がした。しかし人が自然の中に踏み入れば、その姿はおのずと変容して行くものである。張家界の幽玄なる景観と観光産業に関わる人間達の姿、全く相反するものを見た私の胸中には何か複雑なものを感じた。

5年も経つ頃には張家界は世界の観光地として名声をあげることになるだろう。それが張家界の自然と、それに関わる人間にとって本当に良いことなのかは別として。

リンクアイコン追記へもどる ホームへ